映画「007スペクター」と「コードネームU.N.C.L.E.」を一日で鑑賞2015/12/11

今日はスパイ映画を一気に二本観てきました。一本目はついに24作目に到達した「007スペクター」を、二本目は往年の大人気テレビ番組「0011ナポレオン・ソロ(アンクルから来た男)」を映画化した「コードネームU.N.C.L.E.」を観ました。
別に一日で二本観たかったわけではなく、「コードネームU.N.C.L.E.」が最終上映日で、ちょうど「007スペクター」の上映終了1時間後に「コードネームU.N.C.L.E.」が上映と都合が良かったためです。途中の1時間で夕食も頂けますし。

007スペクター

さて「007スペクター」です。前作「スカイフォール」が私としてはストーリーに不満の残る出来映えでしたが、今作は往年の宿敵スペクターが相手とあって期待したのですが...
今作は敵方がスペクターなので、まあ「スカイフォール」よりは、相手が大物で007らしいなあと思って観ましたが、何と前三作の敵役はすべてスペクターの一員だったなんてことが今作で明かされてビックリポンでした。
ミスターホワイトやドミニク・グリーンが属していた組織「クオンタム」は、実は「スペクター」だったなんて、何という都合の良さ。
まあ裏事情としては権利関係に解決がついて「スペクター」の名称が使えるようになったのでしょうけど、別に「クオンタム」という別の悪の組織があっても良かったように思いますが、製作者としては「スペクター」という名称にこだわりがあったのでしょう。

さらにビックリポンなのは、今作の敵役、フランツ・オーベルハウザーが自分の父(何とジェームス・ボンドの養父でもあった)を殺し、自らの死をでっち上げて、あのエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドを名乗っていたこと。ブロフェルドとボンドは子供の頃から因縁の仲だったなんて、原作者のイアン・フレミングもこれにはビックリポンでしょう。

ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを最初に演じた「カジノロワイヤル」から「スペクター」まで全部ストーリーが続いていたなんて、そんな事は「カジノロワイヤル」製作当初から意図していなかったはずなのに、脚本次第で何とかこじつけられるものなんですね。

今作では、ブロフェルドはついに逮捕されて、ジェームス・ボンドは愛する女性マドレーヌと結ばれた末にMI6を辞職して、アストンマーチンDB5に乗って終了するラストは、次回作では新しいジェームズ・ボンドでリスタートすることを暗示させます。
それとも「女王陛下の007」と似た趣向で、次回作で脱獄したブロフェルドにマドレーヌが殺されて、ジェームズ・ボンドは復讐のためにMI6に復職するのでしょうか?

それにしても今作のアクションは迫力はあるのだけれど、ご都合主義的なシーンが多いように思います。
ローマでのカーアクションは道路に他の車がほとんど走っていなくて、2台がガラガラの道をカーチェイスしたり、飛行機で車を追いかけるシーンも、飛行機で追いかける必然性がほとんどないように思います。飛行機をどこから調達したのかも謎です。
スペクターの秘密基地の爆破も迫力はあるけれど、ジェームス・ボンドがたった一発銃弾を放っただけで大爆発とは?
おまけに最後はブロフェルドの乗ったヘリコプターを大揺れのモーターボートから拳銃で撃ち落とすなんて、現実味があるとは思えません。

ロジャー・ムーア時代のお気楽娯楽路線なら気にならないのですが、ダニエル・クレイグのシリアス路線では、脚本のご都合主義は鼻につきます。

さて次回作はいかに?いろいろ不満があってもまた観てしまいそうです。

コードネームU.N.C.L.E.

ちょっと消化不良気味の「007スペクター」を観て、次は「コードネームU.N.C.L.E.」です。
懐かしい...
ナポレオン・ソロ、イリヤ・クリアキン。子供の頃に背伸びして観ていた感じのテレビ番組が、映画になって帰ってきましたと言いたいところですが、かなり違う...
テレビではナポレオン・ソロ、イリヤ・クリアキン、二人のキャラクターの魅力が、「0011ナポレオン・ソロ(アンクルから来た男)」の最大の魅力だったのですが...

ナポレオン・ソロはかなりロバート・ヴォーン テイストがあって良かったのですが、このイリヤ・クリアキンはないだろう。
デヴィッド・マッカラムのクールに仕事をこなすけれど、女性にちょっと弱くて、とぼけたユーモアが全くない...

60年代を舞台にしたストーリーは懐かしさを感じさせ、コメディ風のシーンもあり、その当時のファッションも楽しめて、おしゃれ感もあるのですが、怒りっぽい単細胞的なイリヤには最後まで馴染めませんでした。出演者で最も魅力的だったのは、ギャビー役のアリシア・ヴィキャンデル。小悪魔的な可愛らしさはこの映画にピッタリでした。
どこかルパン三世の峰不二子を思い出させます。

次回作があるのかわかりませんが、イリヤにとぼけたユーモアが加わり、ギャビー役がレギュラーとして加われば、このシリーズ、とても魅力的なスパイ映画シリーズになります。
私的には「シリアス路線の007シリーズ」より好きです。

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