007映画と007スカイフォール【ネタバレ注意】2012/12/03

今日はシリーズ23作目で、50周年記念の007映画となる「スカイフォール」を見にシネコンへ。
ダニエル・クレイグの007を映画館で見るのは初めてですが、映画館で007を見るのも、ピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンドを演じた「ゴールデンアイ」以来です。どの映画館で見たのかも忘れてしまいました。
スカイフォール

熱烈な007ファンというわけではないので、全作見ているわけではありませんが、好きな作品はDVD、Blu-rayで持っています。スペースシャトルや巨大な海中基地が出たりと、あまり荒唐無稽な感じの作品は好みではないです。

ちなみに好きな007作品は下記の通りです。
「ロシアより愛をこめて」
この作品が007の人気を決定づけたことに誰しも異論はないでしょう。名優ロバート・ショウとのオリエント急行での対決など、見せ場の連続で、ボンドガールのダニエラ・ビアンキがとても魅惑的です。今でもボントガールでNo1の美女だと思います。

「ゴールドフィンガー」
アストン・マーチンDB5が初めて登場した作品。ちょっと小道具が登場しすぎですが、作品全体に漂うゴージャスな雰囲気とユーモアはなかなかです。

「女王陛下の007」
 ジョージ・レーゼンビーのジェームズ・ボンドということで、あまり評価しない人が多いですが、原作にかなり忠実なシリアスな作品で、スキー滑降シーンが素晴らしい。ラストが悲劇なのも印象的です。ジョン・バリーのテーマ音楽は出色の出来です。

「ユア・アイズ・オンリー」
ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドを演じた作品の中で一番好きな作品。空中・スキー・水中でのアクション、港での銃撃戦、ロッククライミングとアクションシーン満載の、小道具に頼らない、007本来の魅力で勝負した作品。清楚なキャロル・ブーケが素敵です。これを観たとき、コルティナダンペッツォのようなヨーロッパのスキーリゾートに行ってみたいと思いました。エンディングのサッチャー首相のそっくりさんのシーンは笑えます。

「リビング・デイライツ」
ティモシー・ダルトンがジェームズ・ボンドを演じた最初の作品。監督が「ユア・アイズ・オンリー」と同じ、ジョン・グレン監督なので、アクションシーン満載です。小道具もいろいろ登場します。ウィーンが主要な舞台というのも魅力的で、ラストのアフガニスタンと空中でのアクションシーンは迫力がありました。

「ゴールデンアイ」
車、戦闘機、ヘリコプター、戦車、装甲列車など乗り物を使ったアクションシーンが満載です。ピアース・ブロスナンのジェームズ・ボンドはちょっと軽い感じがしますが、ユーモアと粋な雰囲気があります。この作品からM役が名女優のジュディ・デンチに変わりましたが、クールな雰囲気はMのイメージを一新しました。

ダニエル・クレイグが初めてジェームズ・ボンドを演じた「カジノ・ロワイヤル」を観たときは、シリアスな雰囲気で原作に比較的忠実で、現代的で洗練されたジェームズ・ボンドに様変わりしたように思えました。
ただダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは、アクションに精力を使い果たして、気持ちに余裕のなくなったジェームズ・ボンドという感じがします。
ちょっとしたユーモアや粋な雰囲気があまり感じられないのは残念です。「スカイフォール」でも同じように感じました。悩めるジェームズ・ボンドですね。
また「カジノ・ロワイヤル」の結末が次回作の「慰めの報酬(未見です)」に続くようになっているので、ラストで欲求不満が残りました。

ところでモンテネグロのカジノという設定の「カジノ・ロワイヤル」ですが、ジェームズ・ボンドがホテルのチェックインするシーンを観ていて、どこか見覚えがあるホテルだなあと思ったら、チェコのカルロヴィ・ヴァリに旅行したときに泊まった、「グランドホテル プップ」ではないですか。
グランド・ホテル プップ チェコのカルロヴィ・ヴァリ

映画ではホテル入口の駐車スペースに高級車がずらりと並んでいました。
グランド・ホテル プップ チェコのカルロヴィ・ヴァリ

カジノの勝負の後に、ダニエル・クレイグとエヴァ・グリーンが食事したホテルのダイニングルームです。
グランド・ホテル プップ チェコのカルロヴィ・ヴァリ

さて最新作で大ヒット中の「スカイフォール」です。
アクションと全体のテンポは素晴らしいのですが、どうもストーリーの設定に難があるように思いました。
悪役が上司のMに恨みを抱く元MI6の工作員では、相当小粒な設定の悪役です。
別に今さらスペクターのNo.1を出せとは言いませんが、個人的な恨みをはらすために、執拗にMを追い詰めて、最後はマザコン男みたいにMに一緒に死んでくれではねえ。
しかもボンドはMを守りきれず死なせてしまう。
まあ悪役を変質者的な設定にしたかったのでしょうが、どうも007に相応しくない悪役です。

悪役がMを追い詰める手際も悪く、Mを喚問する審議会でMを襲うも失敗。
MI6のネットワークに容易に侵入できたり、地下鉄の坑道を爆破する準備を整えていたなら、最初からMを喚問する審議会の会場に爆弾を仕掛けておけばいいのにと思いました。
ジェームズ・ボンドとMが立て籠もる、ボンドの生家、スカイフォールに攻撃をかけるシーンも、DB5のマシンガンがさく裂したり、ヘリコプターが登場したりと、派手ではあるものの、サム・ペキンパー監督の「わらの犬」を観ている私としては、インパクトはありません。腑に落ちないのは、全く無防備な生家にわざわざMを連れて行き、敵を迎え撃つという設定です。これではボンドが始めからMを見殺しにしようとしていると思わざるをえません。
シリアス路線で進みたいなら、突っ込みどころがない緻密な脚本にしてもらいたいものです。

ただ悪役のハビエル・バルデムは金髪に染めて、「それでも恋するバルセロナ」のイメージとはがらりと変わった役柄ですが、変質者的な演技はさすがにうまいです。
あとアルバート・フィニーが出演するということで、いつ出てくるかと期待したら、スカイフォールを管理する老人役でした。
すごく年を取っていて(あたり前ですが)びっくりでした。子供の頃観た、オードリ・ヘップバーンと共演した「いつも二人で(ジャクリーン・ビセットが脇役で出演していました。)」の建築家役のイメージが未だに頭に残っているので。

この作品でM、Q、マネーペニー役が一新されましたが、原作では重要な脇役であるフェリックス・ライター役がころころと変わってしまったようにならないでもらいたいものです。
でも今度のマネーペニー役はちょっとねえ。ジェームズ・ボンドがMに呼ばれて、マネーペニーの前で帽子を投げるシーンは復活するのでしょうか?
シリアス路線で進みたいようなので、ないだろうなあ。
それにしてもセキュリティが弱いということでMI6の本部を地下に移したのに、ラストでは、いつの間にか地上に本部が移って、何事もなく新M、新マネーペニーがオフィスにいることに違和感を感じるのは私だけでしょうか?

さて次回作はいかに?
まさかレギュラーメンバーが一新されて、三作目にしてやっとボンドも独り立ちしたようなので、また「Dr.No.」から始めるんではないでしょうねえ?

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