映画「ラッシュ/プライドと友情」2014/02/28

ロン・ハワード監督の新作、「ラッシュ/プライドと友情」を観てきました。F1グランプリを扱った映画です。
ラッシュ/プライドと友情

F1グランプリを扱った映画と言えば、何と言ってもジョン・フランケンハイマー監督の「グラン・プリ」。子供の頃、テアトル東京のシネラマ大画面で観ましたが、DVDも発売されず、ずっと忘れかけていたのが、BDが発売されたときはすぐに手に入れました。
50年近く前の映画ですが、「2001年宇宙の旅」と同じく、スーパーパナビジョン方式の65mmフィルムで撮影された映像はデジタル処理され、非常に鮮明で音響も素晴らしい。CGのない時代、しかも大型カメラを車載し、よくこれだけ迫真の映像を撮影できたと感嘆します。
ジョン・フランケンハイマー監督「グラン・プリ」

60年代のF1グランプリの大スターと言えば、フライング・スコッツマンことジム・クラーク、グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュアート、ジョン・サーティースでしょう。
この映画には、グラハム・ヒルやマクラーレンチームの創始者、ブルース・マクラーレン
本人が登場し、実際のサーキットでロケするという豪華さです。しかもフェラーリの工房まで見せてくれます。フェラーリには厳しいストーリーなのに。
60年代のF1グランプリの車は葉巻型。映画ではF3の車を改造したようですが、違和感はありません。

さて映画「ラッシュ/プライドと友情」ですが、こちらは1976年のF1グランプリが舞台です。ニキ・ラウダとジェームス・ハントの有名なタイトル争いを映画化したものですが、ジョン・フランケンハイマー監督の「グラン・プリ」と比べると、迫力あるレースシーンを期待した私としては、ちょっと肩透かしをくいました。映像は少々きめが粗く、すべてのレースを実際のサーキットでロケしていないので(最終戦の富士スピードウェイも富士山のシーンが登場しますが、明らかにCG合成。)、ちょっと不満が残ります。
ただヒューマン・ドラマとして観ると、「グラン・プリ」より明らかにおもしろい。二人の対決に絞ったストーリーが劇的だからでしょう。